ガーネットは和名でざくろ石と呼ばれ、豊かな赤い宝石として19世紀にヨーロッパで大流行していました。
しかし、ガーネットの化学成分の特徴を見ると、多種の変種そして多様な色をもった宝石であることがわかりました。
ガーネットは、アルミニウムを主元素とする深い赤色のパイロープ、ピンクがかった赤色のアルマンディン、黄色からオレンジ色のスペサルティンと、
カルシウムを主元素とする緑色のグロシュラーライト(ツァボライト)、多様な色(黄色~緑色、黒色)を持つアンドラダイト、濃い緑色のウバロバイトに分けられます。
1853年に、ロシアの中央に位置するウラル山脈にある村で、一人の少年によって美しい緑色ガラスのような石が発見されました。フィンランドの鉱物学者の提案により、“グリーンダイヤモンド”に良く似ているため、オランダ語のダイヤモンド(“Demant”)という言葉から、1878年に“Demantoid (デマントイド)”と命名されました。
1875年からロシア宮廷のジュエリーとして王族と貴族に愛用され、宝飾品に頻繁に使用されるようになりました。
その美しさはヨーロッパに伝えられ、イギリスの王室でブローチやリングなどの宝飾品として愛されました。
また、アメリカにおいて、著名な宝石店“Tiffany”社の宝石研究者クンツ博士にエメラルドのようなグリーンとして大変絶賛され、ティファニー社の主力なジュエリーのひとつとなりました。
現在は、大変貴重な“エステート・ジュエリー(資産価値のある宝飾)”として評価されています。