エルメスが馬具産業からファッションアイテムへとその事業を広げていった頃、腕時計製造にも着手します。
始まりは1920年代。当時はジャガー ルクルトやユニバーサルといったスイスの時計メーカーとコラボレーションし、エルメスのデザイン時計を発表していました。
エルメスが持つファッション性の高さと、革への厳格な眼差しは腕時計の世界でも活躍します。
とりわけ原点である革素材を活用し、革ベルトタイプの腕時計に先鞭(せんべん)をつけました。
美しさと高い品質に妥協をしない、当ブランドらしいこだわりは他の老舗腕時計メーカーにも劣らないコレクションの展開に繋がりました。
そんな中で生まれたシリーズが、クリッパーです。
1981年の誕生以来、文句なしのロングセラーでエルメスバッグと言えばケリーやバーキン、といった具合に、エルメスウォッチと言えばクリッパーが挙げられるほど定番です。
クリッパーとは、19世紀、大海原へ繰り出していった3本マストの大型帆船のことで舷窓から着想を得た、美しいラウンドフォルムとベゼルにあしらわれたビズが特徴的なモデルです。
基本モデルはステンレス製のブレスレットタイプで、革製品に留まらないことを宣言しているかのようです。
レディースらしい華奢でフェミニンなデザインに加えて、エルメス―Hermès―の頭文字“H”が連なったブレスレットや裏蓋に記された四輪馬車のロゴからは、
控えめながらもブランドへの矜持を感じさせられます。
「エルメス」の製品が欲しい方、あるいは日常使いの時計をお探しの方などから、広く支持と人気を集め続けてきました。