世界的ファッションブランドとして、多くの女性から支持を集めるセリーヌ。
今からおよそ80年前の1945年に、セリーヌ・ヴィピアナとヴィピアナの夫によって創業されました。創業当時、セリーヌは子供向けの高級靴を製造し、販売していたのです。
高級感のあるデザイン、安全性の高いつくりが好評で、パリの上流階級層を中心に大人気のブランドとなりました。
セリーヌの高い技術が認められ、街の婦人たちから「大人用もつくってほしい」との声があり、1959年からセリーヌは婦人用靴の販売も手掛けていきます。馬具のくつわ型金具をデザインに使用したモカシンの「インカ」は、斬新なデザインが評判となりセリーヌを代表する人気商品となりました。勢いはとどまらず、靴以外の商品も幅広く拡大し、1967年にはプレタポルテコレクションを開始したりなどファッションブランドとしての地位を確立していきます。
しかし、セリーヌは流行の廃りから低迷期を迎えることになります。
それまで流行とされていたB.C.B.G(上流階級向けのフレンチカジュアル)は、セリーヌの代名詞と言われるほどでした。
B.C.B.Gの流行が終わりを迎えると同時に、セリーヌの経営は傾き始めハイブランド最大のグループ企業「LVMH」に買収されることになります。
この低迷期を乗り越えるきっかけと言っても過言ではないのが、今回紹介するセリーヌマカダムです。
マカダムとは、2003年にデザイナーのマイケル・コースが発表したセリーヌの代表シリーズで、デザインにその名の意味が込められているのです。
砕石という細かく砕いた石を敷き詰める道路舗装の”マカダム式舗装”が名前の由来で、細かく砕いた石が等間隔に並べられている道路をイメージして作られています。
個性を感じさせるデザインが評判でセリーヌの人気商品となりました。
2008年、元クロエのデザイナーフィービー・ファイロが就任し、現在のセリーヌ代表アイテム「ラゲージ・バッグ」が生まれたことでマカダムの生産は中止されます。
ファンに惜しまれつつ販売が終了したマカダムですが、10年以上たった現在、若い世代の中で人気が再燃しています。
なぜ、今になって人気アイテムとなったのでしょうか?それは、若い世代の間でヴィンテージアイテムを身につけるのが流行とされているからです。
ヴィンテージアイテムは新品で購入するよりも値段が安いですし、10年20年経っても色あせない魅力が若い世代に受け入れられる要因と言えます。
マカダムはヴィンテージアイテムの中でも販売が終了されている、いわゆるプレミア品です。希少性の高いアイテムを欲しくなるのは、若い世代の特徴でもあります。
だから、マカダムシリーズの人気が今になって再燃しているのです。