黒蝶真珠の正式名称はクロチョウ真珠で、クロチョウガイという天然の二枚貝から産出される真珠です。
黒蝶真珠の養殖は、1914年に沖縄県の石垣島で始まりました。
1923年には太平洋のミクロネシア地域にあるパラオ共和国にも養殖場が開設されましたが、第2次世界大戦の影響により、養殖が中断されてしまいます。
戦後、1951年に再び沖縄で黒蝶真珠の養殖が再開しました。
1965年、後の琉球真珠となる球陽真珠海綿養殖が川平湾で品質の高い黒蝶真珠の生成に成功し、その後も高品質の真珠を生産していきました。
しかし、1980年代に入るとフランス領ポリネシアのタヒチ島で本格的に黒蝶真珠の量産を開始し、沖縄に取って代わって世界の市場を独占するようになりました。
クロチョウガイから採れる黒蝶真珠の大きさは8mmから16mm程度で、今は10mm前後のサイズが主流となっています。
色はブラック系やグレー系、グリーン系が多く、深みのある輝きが魅力的な真珠です。
黒蝶真珠は、実に様々なカラーバリエーションを持つ、干渉色が魅力的な真珠です。
真珠は、干渉色と実体色という2つの色によって構成されています。実体色は真珠自体の色で、干渉色は光の干渉によって生まれる色のことです。
黒蝶真珠はブラック系やグレー系、グリーン系の他、ピスタチオ系、ブルー系、ブラウン系、レッド系など、多種多様な干渉色を楽しめる真珠です。
中でも黒蝶真珠として最も価値が高いとされる色が、ピーコックグリーンです。
ピーコックグリーンの黒蝶真珠は、ほんのりと赤みを帯びた深い緑色の干渉色が非常に美しいと評判で、人々を惹きつけてやみません。
一般的には、干渉色の緑や赤が鮮やかであればあるほど黒蝶真珠としての価値が高まります。